【3360】@cosmeを運営するアイスタイルは高優待利回りに加えて配当金が復活
今回はアイスタイル(3360)をご紹介します。
化粧品・美容に関する総合サイト「@cosme」(アットコスメ)の名を街中で聞いたことがあるかもしれません。アイスタイルはこの@cosmeの運営会社になります。
@cosmeの口コミランキングで上位であるか否かが化粧品を選ぶ上での1つの評価基準になっている方もいるのではないでしょうか。(私自身がそうです)
そんなアイスタイルについて、私なりにまとめてみました。
事業内容
- 化粧品・美容に関する総合サイト「@cosme」
- 化粧品専門店として実店舗・ECを展開
- 企業向けにマーケティング支援や広告サービス
化粧品・美容に関する総合サイト「@cosme」
多くの人が利用しているイメージがある@cosmeですが、実際のデータを調べてみると月間ユニークユーザー(女性のみ)の内、@cosmeスマホユーザーの日本人女性に対する世代別シェアは下記の通りになります。
- 10代未満:0.1%
- 10代:4.9%
- 20代:51.0%
- 30代:75.9%
- 40代:43.6%
- 50代:21.7%
- 60代以上:2.2%
こちらを総務省人口統計(2024年1月確定値)の日本人女性人口を利用して、実際の利用者数を算出すると下表の通りとなります。
10代未満と10代、60代が他年代と比較して極端にシェア率が低いため、スマホ所持率が低い等年代個別の背景があると想定し、10~50代に絞ってシェア率を再計算すると、日本人女性の約4割は毎月@cosmeを利用していることになります。
このシェア率を背景に各人の閲覧データ、購買データ等を収集することができる点が@cosmeの強みと言えます。
化粧品専門店として実店舗・ECを展開
実店舗は、国内の直営旗艦店として「@cosme TOKYO」「@cosme OSAKA」を含めて、国内外37店舗を展開しています。
また、日本最大級の化粧品専門ECとして「@cosme SHOPPING」を展開し、幅広い品揃えを実現しています。
化粧品を検討するユーザーにとって、特に初めて買おうと考えている商品を実店舗で手に取って試すことができることは重要です。
理由は、化粧品には肌に合う合わない・色味・使い勝手等、カタログを見るだけではわからない繊細な部分が多いからです。後述しますが、購買行動における最終的なステップである「購入」の後押しをアイスタイル自身で提供できる点が強みです。
対して、過去使ったことがある商品を継続して購入する際や気軽に購入したい、近くに店舗がない等のユーザーにはECという選択肢を提供しており、様々な需要に対応可能となっています。
じつは先日、妻とリニューアルオープンした「@cosme STORE アミュエスト博多店」に行きましたが、店舗敷地も前より大幅に拡大されておりました。
来店客を眺めたところ、20~30代女性が大多数で、中国・韓国からの観光客が多い印象を受けました。
品揃えは周辺の他化粧品専門店と比較し圧倒的に幅広く、博多で化粧品を探すならここに来れば大体揃うのではと感じました。
個人的には以前より店舗敷地が拡大したことで店内通路が広がり、客同士が行き来しやすくなったので、格段に利用しやすくなりました。
企業向けにマーケティング支援や広告サービス
購買行動は大きく下記の4ステップで表されます。
- 認知
- 興味・関心
- 検討
- 購入
アイスタイルは前述の@cosmeで蓄積されたデータベース、実店舗・ECを活用し、各ステップで、ユーザーに対してより効果的な広告やソリューションを化粧品ブランド等へ提案することできる点が特徴的です。
具体的には、各ブランドはアイスタイルの持つデータを活用して、ユーザーに認知してもらう、興味を持ってもらうにはどのようなユーザーがどんな商品に興味を持っているのかという傾向を分析し、ターゲット層を明確にしたり最適なPRを考案したりできます。
そして、アイスタイルは単なるデータの提供にとどまらず、実際に商品を手に取ってもらう機会の創出やキャンペーンの実施などを実店舗やECで展開することをブランド側へ提案できます。
これにより各ステップにおけるソリューションを一気通貫で対応可能であることがアイスタイルの強みと考えています。高いシェア率を背景に得られる様々なデータを活用できるのは、依頼するブランド側からしれば重要なポイントであるといえるでしょう。
銘柄情報
株価推移
2024年10月から過去5年間の株価は下図の通りとなっています。
最近は400~600円の間を行き来していますね。
私は2024年5月頃の400円付近から少しずつ購入を始めて、現在の取得単価は465円です。
事業内容からも今後成長していく分野・業態だと考えているため、期待して持ち続けたいと思います。
株主優待がお得 & 配当が復活
アイスタイルでは各店舗やECで利用できる割引券を株主優待として導入しています。
1単元(100株)保有で優待権利を獲得できるということで、現在(2024年10月時点)では約51,000円で優待が手に入ります。
割引券をすべて上限値で活用したとすると、3,000×3=9,000円に6,400円をプラスして、合計15,400円の割引を受けることができます。このときの優待利回りは、30.5%(すべて活用するために122,000円(税抜)が必要)になります。
特に日常的に@cosmeを利用する方や高額な化粧品の購入を考えている方は、優待の点だけでも魅力的な銘柄かもしれません。
さらに同社決算説明会資料(2024/8/14)にて、2019年から停止していた配当が復活するということで、株主優待と配当の両取りが可能な銘柄となります。
配当を実施していた2018年度が1株当たり0.50円なので、同じ水準だとすると約0.1%の配当利回りになります。実際にどのくらいの配当利回りになるかは今後期待すると共に注視すべき点ですね。
所感
成長継続性
私は前述した20~30代女性へのシェア率が高い点を評価しています。
それは、現在この年代の方が10年、20年と年齢を重ねても継続して@cosmeを利用するのではと考えているからです。そのために利用者に「ひとまず@cosmeでチェックしてみよう」というマインドを醸成していってほしいですね。
また、新規利用者として特に10代をターゲットにしたときに、現在の20代のシェア率を将来的にも継続できるかも重要です。
そのため私は特に、YouTubeやTikToK等情報を収集する手段は日に日に多様化している社会情勢において、若者の情報収集手段のトレンドに対応していけるかという点に注目して、評価していきたいです。
新規領域
同社決算説明会資料(2024/8/14)にて、サプリや健康食品等に市場を拡大すると発表がありました。
ECでのサブスク方式による提供を予定しているとのことです。
今までは化粧品やコスメにて体の外から美しさを追及していましたが、体の中からも美しさにアプローチできるようになるということで、様々な悩みを抱えた方により一層寄り添って提案できる体制になっていくと思います。
サプリや健康食品はすでに様々なものが販売されているので、「@cosmeのサプリ」という点をいかにアピールしていけるかと、継続して利用したいと思える効果、使用感、価格等を実現できるかが今後気になるポイントですね。
おわりに
私自身はアイスタイルに今後も成長する余地ありと判断して、継続保有予定です。
また、妻が@cosmeを利用するので、株主優待の点からも少なくとも1単元は確保した運用を実施したいと考えています。