【9147】物流業界のリーダ企業NIPPON EXPRESSホールディングスは安定配当と将来性に魅力あり!
今回はNIPPON EXPRESSホールディングス(9147)(以降、NXHD)をご紹介します。
「引っ越しは日通~♪」でおなじみの日本通運を傘下に持つ、陸・海・空の総合物流における国内トップの企業です。
そんなNXHDについて、私なりにまとめてみました。
- 2500円で株価反発する場合、買い増しを実施
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配当利回り4%となる価格で他投資家も買いを入れる想定。そのため、2500円を底値と想定し、買い増したい。
- 2500円を割って下落する場合、早期に損切りし、下落一服後に買い戻し
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価格帯別出来高がダントツの2400円~2600円を目安として、そのラインを突き抜けるならば、直近の安値2200円近くまで下落すると想定し、損切り後、買い戻しを実施。
事業内容
NXHDの事業内容の特徴を2つの観点で分析してみました。
- あらゆる商品を様々な方法でサポートする物流サービス
鉄道、トラック輸送や航空、海運など、あらゆる手段を駆使して効率的かつ安全な物流を実現。
特に医薬品や重量品などの特殊貨物の輸送にも対応しており、専門的な品質保証を提供。 - 世界中の地域ごとに特化したグローバルなサービスを展開
米州、欧州、東アジア、南アジア・オセアニアなど世界50カ国以上に拠点を持つ。
地域の特性に合わせた物流サービスを展開し、様々なニーズに応じて柔軟に対応。
あらゆる商品を様々な方法でサポートする物流サービス
NXHDは総合物流企業として下記のような幅広い輸送手段を提供しています。
- 鉄道輸送
- トラック輸送
- 航空輸送
- 海運輸送
陸・海・空のすべてをカバーしており、顧客が輸送したいものに合わせて最適な手段を一気通貫で提案できる点が同社の強みだと思っています。
また、医薬品、化学製品、重量品、冷蔵品などの特殊貨物の輸送にも特化しています。
例えば、医薬品については、温度や輸送状況をリアルタイムで把握できる専用車両を独自開発したり、再生医療製品やワクチンなど超低温での管理が必要な製品に対応するサービスを提供しています。
半導体や電機・電子製品については、 輸送中に製品に係る衝撃を抑える防振輸送サービスもあります。
世界中の地域ごとに特化したグローバルなサービスを展開
NXHDは世界50カ国以上に拠点を構築し、国際輸送を効率的に行っています。
2024年1月にはオーストリアに本社を置く「cargo-partner」を買収し、中東欧における影響力の拡大に注力すると共に、既存のNXHDの物流ネットワークと融合させることによるサービス拡充・競争力の強化に取り組んでいます。
グローバル市場での事業成長の加速

また、他地域でも下記に記載したような、その地域の特性に合わせた取り組みを実施しており、売上収益の拡大に向けて積極的であることが分かります。
- 米州
自動車や医薬品産業における案件の拡大 - 東アジア
半導体やヘルスケア産業における案件の拡大
中国系企業の取り込み - 南アジア・オセアニア
インド亜大陸・漢インド洋での事業拡大
銘柄情報
株価推移
上場から2025年4月の株価は下図の通りとなっています。

おおむね2200円~2900円のレンジで株価が推移していることが分かります。価格帯別出来高は2400円~2600円の出来高がダントツです。
2025年4月4日時点で1株2555円、PER 12.07倍、PBR 0.78倍となっています。
PBRが1.00倍を割っているため「株価 < 1株当たり純資産」であり、割安株と言えます。
配当
経営計画2028目標にて、ROE10%、配当性向40%以上、2024~2028年殿5円累計総還元性向55%、自己資本比率35%程度を掲げており、株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
配当金の推移

2025年4月時点で1株当たり配当金100円、配当利回り3.91%となっています。
また、2025年2月~11月で上限500億円(上限3000万株:自己株除く発行済株式総数の11.53%)の自己株式取得を実施します。
ROEの改善を目的に実施していると考えられますが、これが株価上昇の要因になりえると思います。
また、自己資本比率は35%程度を維持するとのことで、自己株式取得による自己資本比率減少リスクはほぼないとみています。
所感
2400円~2600円の出来高ラインを割るのか反発するのか
前述の通り、価格帯別出来高は2400円~2600円がダントツです。
現在は、1株2500円付近で推移しており、ちょうどレンジの真ん中あたりですので、ここから株価が2500円を割って下落するなら2つのシナリオが想定できます。
- 2400円~2600円の出来高ラインが抵抗線となり、株価反発
- 2400円~2600円で保有している人が損切りし始めて、一気に2200円付近まで下落
配当金が1株100円として2500円が配当利回り4%となるラインであることから、私は押し目買いが増える想定で②よりも①の方が可能性が高い考えています。
そのため、2500円を割ったタイミングで買いの姿勢に入り、反発したタイミングで大きく買い増しをイメージしています。
逆に下落し続けるならば、②が正解だったということで一度損切りして、再び反発するタイミング(2200円付近を想定)で買い戻すことで、ポートフォリオにおける配当利回りを高める動きを実施したいです。
米国の関税政策に注意!一方チャンスもありそう?
NXHDの利益構成において、海外セグメントにおける米州の割合は20%です。NXHDの米国への依存度はあまり高くない印象を受けます。
とはいえ、米国の関税政策で消費者の購買意欲が低下すれば全体的な物流量の減少につながり、株価下落を招く要因になる可能性があることに注意する必要があります。
2025年12月期業績予想 通期セグメント別

関税政策がプラスになるシナリオも考えてみます。
- 関税の導入によって、外部環境が変化し、新たな市場や輸送ルートが開拓される可能性
- 外需系セクターの株価低迷による、内需系セクターの物流銘柄への資金流入
新規開拓はもしそうなれば好材料として株価急騰につながる可能性がありそうです。
内需系セクターへの資金流入は今後の株式市場の方向性によるもので中長期的に徐々に株価を上昇させるような要因です。
これまでの株価推移は一定のレンジで推移しており、リスクオフの心理が市場を占めた場合は、手堅い銘柄として買いが集まる可能性はあると思います。
将来的に物流の重要性は高まる
物流業界の今後を考えてみます。
身近なところだと、昔は日用品を買うならスーパーマーケットやドラックストアでしたが、今ではAmazonやYahooショッピングなどの通販を利用することが増えてきているかと思います。
この流れはインターネットネイティブ世代の割合が増加するにつれて、今後も継続するでしょう。
半導体業界では近年、熊本県にTSMCの工場ができ、北海道にラピダスの工場ができました。生産した半導体はそれで完成ではなく、最終的に家電や自動車、AIなどに利用されます。
そのためには完成した半導体を輸送する必要があり、繊細な半導体を確実に輸送する物流サービスが重要になります。
最適な場所で製品を作り、次の工程に向けて物流サービスを活用するような状況は半導体業界を始め、他業界でも、物流技術の向上に伴って、拡大すると思っています。
上記の観点から、物流業界は今後拡大すると判断し、業界トップであるNXHDの株価は上昇すると考えています。
おわりに
手堅く配当利回り4%付近を提供してくれる銘柄です。
配当利回り4%以上で買い増しできるタイミングがあれば、積極的に買い望んでいきます。
とはいえ、配当利回り4%は高配当銘柄と言えなくなってきており、金融セクターの銘柄などは5%以上のものもたくさんあります。
NXHDを保有する際には、
- 配当利回り4%で満足できるか
- 物流業界の将来性に期待できるか
- 安定した値動き、ディフェンシブ銘柄に魅力を感じるか
などを各人の状況に合わせて評価していただきたいと思います。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。
皆様の投資人生において、少しでも私のブログが役立つことを祈っております。